■ 2012年もどうぞよろしくおねがいします ■

 
 2011年は東日本の大地震に始まり津波、原発事故、近畿圏での大雨災害、そしてタイ国の洪水と散々な一年でした。2012年は欧州の経済金融危機からのスタートです。2012年は少しでも良い年になるよう実行して行きたいと考えています。
2012年もどうぞよろしく御願いします。年頭の「発明くん便り」です。
最後までお読み頂ければ幸いです。

表題:グローバル社会は「金つくり」と「ものつくり」が共存できるのか?
 
グローバル化社会の流れは誰も止めることは出来ない。グローバル社会を支配しているのは金融社会である。金融社会は極一握りの人間が巨大マネーを移動させるだけで全世界の経済バランスを瞬時に狂わせることができる。それはバーチャル(虚業)の世界である。一方、ものつくり社会は技術の蓄積、技術の利用、技術の進歩を前提とした実態(実業)の社会である。

ここで金融社会とものつくり社会との係わりを整理してみる。金融社会は「金つくり」が目的で極一部の人間へ富が集中し多くの人々が、どんどん不幸になっていく。つまり人間の優劣を簡単に決めてしまうシステムである。やがては地球も滅ぼす危険性すらある。

一方、ものつくり社会は基本的に人々を幸せにして行くシステムと言える。例えば貧困地域の人々は様々な問題を抱えて苦しんでいる。これらの問題を解決するのが技術の利用と技術の進歩である。金つくり社会が齎す最大の弊害は拝金主義が蔓延することである。拝金主義は「金つくり」の為なら「何でもあり」という無法社会へ繋がる。例えば「金つくり」をする為の手段として「ものつくり」をする。
従って模倣品(特に新興国)が多く出回るのは当然である。更にドキュメント(文書)だけで「金つくり」を目指す米国型ビジネスの典型と言えるパテント・トロールの存在もある。

日本が「知財立国日本」を目指すならば、いち早く知的財産権のグローバル化を推し進める必要がある。日本は世界の人々が求める技術(幸せにする技術)をたくさん持っている。まず日本が持つ、これらの技術を世界の人々に伝えねばならない。その為には世界の人々から理解が得られる明快なドキュメント(特許明細書に代表される文書)を作成することが必須の条件となる。

次に知的財産権の保護である。拝金主義者が生み出す模倣品からの被害を食い止めなければならない。さらにパテント・トロールからの「いちゃもん」を退けなければならない。そのためには「世界で通用する戦える特許明細書」が絶対に必要なのである。

様々な問題を抱え苦しんでいる人々(例えば貧困地域)を「知財の共生」で助け出すことは可能と思う。詰まるところ「知財の共生」とは双方が共存できるビジネスフアームを構築することである。それが知的財産の活用であり技術の輸出を意味する。一方では心掛けの悪い拝金主義者をドキュメントの力で駆逐せねばならない。「知財戦争」とは、詰まところ言語の戦いである。何れにせよドキュメントの「文章品質」が武器となる。いまのところ「日本知財村」は、ドキュメントの品質管理について酷く無神経である。非論理的で、曖昧で、意味不明で、日本人でも理解できない、あの特許明細書で世界と戦えるわけが無い。

日本は「ものつくり」で得た富を平等に分配して多くの中流家庭を築き上げてきた世界で類を見ない国である。ものつくり社会は、このまま金融社会に飲み込まれ振り回され続けるのか、それとも日本型「ものつくり」で多くの犠牲者を救い出すことができるのか、いまその瀬戸際にある。そのカギを握るのがガラパゴス化した鎖国知財「日本知財村」の改革である。2012年は「志」のある知財マンの台頭を願う一年となる。(矢間伸次)。